あ、そう。さっぱりわからん。

雑記帳、備忘録的なもの。

眼瞼下垂の私の話

みなさんは眼瞼下垂(がんけんかすい)ってご存知ですか?
簡単に言うと、上瞼が開きにくくなる病気の一種です。
眼瞼=上まぶたのことなのですが、読んで字のごとく
上まぶたが下がる(下垂)という意味のことなのですが。

瞼を上げ下げするには、簡単に言うと瞼板に挙筋腱膜を介して眼瞼挙筋とくっついているのですが、
普段誰も瞼を上げ下げするときは、これらの筋肉をわざわざ気にして引き上げる人は
いないと思うんですが、軽く瞼を閉じて、眉毛あたりを軽く下向きに抑えたうえで、
目を開けてみてください。
大半の人は簡単に開くと思います。
眼瞼下垂(私は当時、全く上がりませんでした)の人だと、瞼板と眼瞼挙筋がゆるんだり、
外れたりしているので(人によっては皮膚もたるむので)、瞼が開けずらくなり、
瞼ではなくおでこから眉全体を使って瞼を引き上げようとするので、
眉の上を手で押さえて動かないようにしてしまうと、開きずらいor開くことができなくなります。
重症な方だと、肩などの筋肉まで総動員しないと瞼が開けられなくなり、それにともなって
体にもさまざまな症状が出てきます。
この辺の詳しいところは「眼瞼下垂」で検索すれば山ほど出てくるので、
私があれこれ言うこともないのかもしれませんが。

原因としては

1、先天的にこの筋肉が弱い、うまく機能していない。
2、加齢によりゆるんでくる。
3、コンタクトレンズ、アイメイク、アトピーなどにより目を過剰にこすることにより瞼板から外れてしまう。
4、その他。

とにかく瞼板と眼瞼挙筋がうまく機能していないわけで、瞼がうまく開けられない。という病気です。
私がこの病気を知ったのが今から2年ほど前、母がNHKの有名な番組
ためしてガッテン」を見て私に病院に行きたいと言ったのが最初です
うーん、肩こりや瞼の開けずらさ、不眠なんてどっちか言うと私の方がひどい。


私が「目が開けずらいな」と感じたのは中学に上がったあたりから。
中学三年生のころにはおでこにうっすらとしわもありましたし、
まーーーーったく勉強したわけではないのに、ものすごい肩こりに
悩まされ、高校生になるころには肩こりで医者にかかるありさま。
もうほんとに老人より老人っぽい10代でした。

もちろん症状はどんどん悪化するばかりで、
このころには力を入れずに正面を向いて鏡をみると、
黒目に1/3以上瞼がかかる感じになっていました。
仕事中や友人とのおしゃべり、ずっと力を目に入れてないと、
「ん?眠い?」と聞かれちゃうこともありました。視界も確保できないし。
妙に疲れるし・・・。寝付くのに2時間以上かかるようになり・・・・
ここ数年は起きた瞬間から吐き気のするような肩こりに悪化。
仕事をしていようがいまいが、夕方以降は目の奥が重い&痛い
おでこのしわもとんでもなくなってきているし・・・
母より私の方が重症じゃないのか????
私こそ診察を受けるべきじゃないのか??
そんな風に思いながらも仕事も忙しく、疲れやすいせいでたまの休みも
ひたすら家にいて横になるかPCでも触ってるかでなかなか動けず。

結局翌年の2月末に母と市立四日市病院(ネットで片っ端から
調べたらここが自宅から一番近かったので。)の形成外科に初診。
紹介状なしでの受診だったので、通常+1,500円かかりましたが、
紹介状をもらうのにも同じくらいかかるので、あえて貰いにいきませんでした。
母はよっぽど早くどうにかしたかったのか、5日後に空きがあったので
即手術決定。

私の番になり、あれこれ検査したところ、加齢でゆるんでる母と違い、
理由は不明ながら完全に外れているのではないかという判断。
開けてみないとわからないが、ひょっとしたら筋肉自体も弱いのかもと。
その後に担当医から

「瞼にメスを入れるので、間違いなく人相が変わる」
「かなり症状が重そうなのでひょっとしたら大きな改善は望めないかも。」
「最悪左右の目の開きが出て、再手術になるかも」←この予感は的中し、左右の仕上がりが全く違い、再手術に。

この三点を踏まえたうえで決めて欲しいと言われたものの、
ちょっとでもマシになるならいいんじゃないかと考え、手術したいと即答。
しかし、仕事の都合があるので、(携帯ショップは3月忙しい)
有給がまとまって取れそうな4月の中旬に決定。

手術は一泊の入院でOKで、健康保険も適用されるので
トータル6万ぐらいで済むとのこと。
診察後、入院の説明と血液検査をし、帰宅。
入院→抜糸が10日後なので、当時サービス業(携帯ショップ店員)をやっていたので、
抜糸の日までシフト休&有給を取りました。

体験者として一言。
抜糸直後はバッチリ跡が残るので(若い子はわからないけど)、
時間や環境が許すなら10日ではなく15日くらいは休んだ方が
いいと思います。
アイメイクも正直怖いし、うっすら点々と糸の後も見えるし。
腫れも引ききれないので。

後、傷口を紫外線に当てるのは厳禁!
傷口が硬くなるのでダメらしいです。
サングラスの用意をした方がいいですよ。


朝一の予約だったので朝7:30に病院入り、説明の後着替えて8:00から手術。
パンツ一枚に手術着をきて、歩いて手術室に行くのですが、
ノーブラだし、手術着は薄いしで、やたら恥ずかしい。
手術室の前で取り違え防止のためにフルネームと
生年月日を言わされ、手術台に。

あちこちのHPで見るかぎり、麻酔の前にテープ麻酔をしてくれる
ところも多いみたいですが、そんなものはなく、
まぶたの端からいきなりぶすっと麻酔をされました。
「いてっ!」と思ったもののすぐ済むのでまあ気にせず。

とはいえ痛いことには変わらないので、後で聞いたら
「テープ麻酔をする先生もいるけど、傷の治りも変わるしやりたくない」とのことでした。
目頭あたりは結構痛いですよ。

で、麻酔が効き始めたのを確認したら、まぶたを切開し、眼瞼挙筋の様子を確認。
開けるやいなや「うーん、がっつり外れてるねー。」と一言。

右から開け具合を決めるのですが、その際寝たままでは
目の開きがわからないので、2,3回起き上がって手鏡を持たされて、

執刀医:「こんなんでどう??」
私:「うーん、いまいち。」
執刀医:「わかった、もうちょっと上げるね。」
で、位置が決まったらチクチクと縫っておしまい。

止血のためかなんだかわかりませんが、電気メス?のようなもので
まぶたの中をバチバチ焼いてました。
目を閉じてるにもかかわらず、異常に外の気配がわかるのも、変な感じですが、

それより肉の焦げるような匂いがちょっと(笑)
目と鼻は位置が近いわけで、仕方のないことかもしれませんが。

で、次は左。なのですが・・・
こいつが厄介で何度やっても上がらない。その間に
当然ですがどんどん出血してくるので、止血のために電気メスで
バチバチ焼いちゃうんですが、その間に麻酔が切れて
何度も「いでっ!!」と叫んでしまいました。
そのたびに先生が麻酔を追加してくれるのですが、結局終わるまでに
5回ほど追加する羽目に。もともと麻酔は効きにくい方なのでこれは
仕方がない。(ただしこれがのちのち必要以上に腫れることに)
あまりにうまく上げられないので、筋肉を引っ張り出して短くしてどうにか終了。
ただし、左右で完全に目の開きが違う状態に。

手術終了時に「結局、左は開きすぎな感じになったけど、
これ以上どうにもならないから、左が治ったら右を再手術しましょうね」
と執刀医に言われました。
あくまで「目がちゃんと開くようにする」が目的ですから、
見た目は後回し(笑)

目にガーゼをまかれ、上からアイスノンを置いて、ひたすら冷やします。
当然、前はほとんど見えません。目の下の方からわずかに見える景色を
頼りに売店に飲み物を買いに行きましたが、初めから買っておくべきでしたね。
ご飯も超食べずらいです(当たり前ですね)。

ひたすらアイスノンで冷やして、なーんにもせずに1日を過ごします。
ときどき溶けちゃったアイスノンを取り換えてもらうのに、ナースコールを
するぐらいでTVをみられるわけもなく、音楽(iPhone様サマ)を延々きいて終了。
音楽でも聞いていないと、暇すぎて困ります。

翌日、あらかじめ紫外線対策+見た目カバー対策に用意したサングラスを
かけて退院。腫れと軟膏を目に塗ってるので、運転はできないです。
送迎を頼むか公共交通機関を使いましょう。
ちなみに食事代やら化膿止めやらも込み込みで
6万3000円くらいでした。(3割負担で)

で、自宅に帰って自分の顔をちゃんと見る。
うわわわあああ。目にびっしり縫い目がああああ。
しかもめっちゃ腫れてる・・・・
超こえええええええええええ。

夜中にこんな目の人いたら泣いて謝るくらいの怖さですよ。

しかもこの状態でも左右の目の開きがはっきりわかるし。
気持ち悪かったので、嫌がらせに(笑)写真を撮って友人みんなに
送りつけました。

「まじ怖い」と言う返事をいただきました・・・。


三日目、腫れがひいたらますます左右差がはっきりしてきました。
10日後に抜糸をしましたが、その時にも言われました。

ただ、肩こりやらの所症状は完治とまではいきませんが、以前に比べれば
格段にマシになりました。
左右差があることで、無意識によく開いてる左に合わせようとするので、
完璧なわけではないですが、おでこのしわもかなり薄くなりました。

職場復帰できる頃には、大きく開いた方に合わせようとした結果なのか
なんちゃって二重まぶたになっており、それ以来「ん?整形したの?」
と聞かれるようになってしまいました。
整形するならもっと綺麗にやってもらうでしょうよ!

ここからは10日に一回ほど経過観察、
徐々に間隔をあけていくのですが、半年過ぎあたりから
仕事が忙しくなり6回ほどで通わなくなってました。


・・・で、結局こちらもなかなか医者にいけなかったりしたこともあり、
今年の4月に入ってすぐに久しぶりに行ったところ、(ちょうど術後1年)

「左がきちんと腫れがひいたので、再手術の日を決めましょう」
と言われたので、一番近い日で。
と頼んだら、結構詰まっていたらしく、
5月31日しか空きがなく、しぶしぶ了解。
そんなわけで明日、右目の再手術に行ってきます。
今度は片方だけなので、日帰りです。ひょっとすると今度も
うまくいかない可能性もなくはないですが、うまくいくことを祈って…。

また再手術が終わったらご報告しまーす。